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第25回 「なるほど川上さん」は企業におけるリスクについてお話しの続きで、法令・制度の変化について解説していきたいと思います。

企業リスク第2話 法令・制度の変化

 

前回のブログで経営環境の変化とリスクマネジメントの必要性として、変化への対応が重要であることを解説しました。今回は、法令・制度の変化にどのように対応していくかを解説していきます。

 

市場の動向を追いかけているだけでは事業環境の変化に対応することはできません。

それは、制度や法律の改正により環境が大きく変わってしまう場合があるということです。

会社法の施行、個人情報保護法により個人情報の取り扱いが厳格化されたため、企業は細心の注意を払う必要が求められるようになりました。

また、特定商取引法、薬事法、大店法、IT基本法、景表法、廃棄物処理法、地球温暖化対策推進法、その他業種や業界によって関係する法令の施行や変更について、経営者は情報を把握しておく必要があります。

 

特に、公共性の高い分野の産業、電気、ガス、通信、運輸、医療、介護などは法令や制度の変更により経営に大きな影響を及ぼすことになります。

菅政権下で、携帯電話料金が下がりました、これは法令・制度の変化ではありませんでしたが、業界が政府に忖度したことにより売り上げに直結する大きな変化でした。

 

このように市場の動向と共に法令や制度の変更、新法の施行、行政による新制度の発令などにも注意を払っておかなければなりません。

法令には法律の施行、政令、内閣府令、省令、規則、条例、裁判所の決定や判例など、法がうまく運用されるための様々な形で実施上の具体的な表現がなされています。

法律に細かく書かれていないことも、省令や規則の中で具体的に定められていることも多く、見過ごさないようにしなければなりません。また、実施段階で解釈の難しいことは裁判所の判例を読むと役立つこともあります。法令に関する情報は必要に応じて多様な情報収集することが望ましいです。

 

法令や制度の変更は数年前から検討が重ねられ、その検討結果は逐一発表されますので日頃から行政官庁による研究委員会の結果や方針を見ておくことは重要です。

 

法令や制度の変化以外にも、外的要因で経営に影響を及ぼすものとして、国際情勢の変化があげられます。現在は円安が進み、エネルギーや食料品などの物価が高騰しています。

10月から値上げされるものも多くなっており、企業経営には輸入品の高騰、販売価格の値上げと戦略の変更が余儀なくさえています。

ただ、重要なのは国際情勢による変化にどのように対応していくかを日頃から検討しておくことです。

為替にしてもエネルギー価格の変動にしても常に変化するものですし、地震や台風また、感染症によるパンデミックが起きたり、ロシアによるウクライナ侵攻など予期せぬことも続いていますが、企業には柔軟かつ迅速なリスクへの対応力が求められます。

 

リスクを保有するか、外部委託するかの検討も必要です。何が起こるかわからない世界情勢に企業防衛の観点から保険が必要だと思います。

 

 

次回の「なるほど川上さん」はリスクマネジメントの考え方を解説していきます。

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