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第32回「なるほど川上さん」は「企業価値の創造」をお届けします。

企業価値の創造

企業は持続的発展のために企業活動を行っていかなければなりませんが、変化の激しい現代において数々の不確実な要素、即ちリスクが存在しております。

そのリスクをどのように克服し価値(利益)を創り出せるか!が重要です。

 

リスクはグローバル化し、また様々なステークホルダーの登場で増加、複雑化してきております。そこでは直面する不確実性に対してだけではなく、将来のキャッシュフローの安定性に関しても考慮した施策が必要となります。

施策

・不確実性に対する戦略的要素に関する対応能力

・企業運営に係わる活動、報告、コンプライアンスに関する能力と効率性

 

ビジネスリスクマネジメントの目標

1.リスクを最適な方法で、又それを合理的に管理してリターンを最大化させる。

2.コーポレートガバナンスを高め、ステークホルダーに対して説明責任を果たす。

 

上記2点によって企業価値の向上と維持が、また企業の持続的発展のための経営の基礎が約束される。企業価値を向上させるには、リスクを収益の源泉と捉え、将来のリスクの発現の予防と損失の最小化という考え方は残しても、合理的な方法でリスクテイクし、リターンを最大化できないかを探ることが重要な使命である。このことによって新たなイノベーションが起こり、新たな雇用機会と新製品・サービスの提供による顧客価値の創造へと進化していく。

 

経営機能に係わる価値の創造

経営の基本は収益の安定性と持続的発展を実現することにある。しかしリスクとビジネス機会とは表裏一体の関係で、常に悩ましい課題を抱えながら意思決定を迅速に行っていかなければならない。例えば、競争優位を維持するための価格・コスト戦略を強力に推し進めなければならない。一方、将来の成長を図るために研究開発、グローバル戦略、M&Aを進めることになり、リスクの視点と将来にわたるリターンの確保の視点で適時判断していくことが重要となるため、企業を取り巻く環境を把握し、分析評価し、経営への影響を考慮しながら、リスクに対する対応策を講ずることになる。

このようにビジネスリスクマネジメントは経営者に意思決定を行う上での重要な情報を提供する任務を担っています。

経営者は与えられた情報を将来のキャッシュフローの視点で判断し、迅速な意思決定を行い、適切な企業活動を行うことが可能となります。ここでは期待利益に対してリスクファクターの変動を予想し、リスクに対する対策を取ることになります。具体的には収益に損失の影響を及ぼすリスクに対しては、保有・削減・移転などの施策を講じて期待利益の実現の確率を高めることである。企業を取り巻くリスクは戦略的リスクのほか、財務リスク、業務リスクなど総合的な要因が複雑かつ相互依存の関係で存在しているのです。

リスクの全体像を俯瞰しながらミッション・ビジョンとの整合性、そして価値創造に対する現状での許容できるリスク量を決定しなければなりません。

 

まとめ

企業価値の高い会社とは

目的(ミッション)、目標(ビジョン)、現実に向けた事業戦略と整合性をはかり、その実現を確実なものとするためのプロセスを提供でき、資源の有効利用と選択と集中によって企業競争力を維持向上させられること。

コーポレートガバナンス力を構築し運用しており、価値創造の成果をステークホルダーに開示し、説明責任を果たす機能を有していること。

 

いくら財務的に優秀な評価を受けている企業であっても、不正・不祥事・事故・隠ぺいなどで社会より厳しい評価を受け消えていく企業が多くあります。一方企業価値の高い会社は世界中の投資家から注目されることになるでしょう。

 

さて、9回にわたり企業リスクの大枠をお伝えしてきました。あくまでも総論でしたので、次回からはその中身を細かくお伝えしていきます。

 

次回の「なるほど川上さん」は「リスクマネジメントのプロセス」をお届けします。

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