自動車保険～人身傷害保険とは

現在9割の方が任意の自動車保険に加入していると言われています。おなじみの自動車保険で、補償内容には「対人賠償保険」「対物賠償保険」「車両保険」「人身傷害保険」があります。まず対人賠償保険は自動車事故により他人を死傷させた場合の治療費等の補償、対物賠償保険は自動車事故で相手の車や他人の物を壊した場合の修理費用等の補償、車両保険は自分の車が事故で壊れた場合の修理費用の補償になります。そして最後の人身傷害保険ですが、あまり内容について知られていないのではないかと思いますし、私も以前必要かどうか良く分からなかった時期もありましたので、どういったものかみてみたいと思います。

人身傷害保険とは

人身傷害保険とは、契約の自動車に乗っている人（運転者と同乗者）が事故でケガをした場合の治療費や仕事を休業した場合の収入等を補償するものになります。また死亡や後遺障害を負った場合も保険金が支払われます。対人賠償保険は「他人」を死傷させた場合の補償になり、運転者自身や同乗している家族のケガや死亡・後遺障害には支払われませんので、人身傷害保険で備える事になります。

人身傷害保険は過失の割合にかかわらず実費が保険金額を限度に支払われます。例えば過失の割合が自分8相手2の場合、自分の治療費10万円のうち8万円は自己負担となりますが、人身傷害では過失分8万円も保険金支払いの対象となります。ですので、特に自分の過失が大きい時や単独事故で相手方からの賠償が受け取れない場合は、とても重要な補償になります。

また事故の場合、示談が成立しないと保険金は受け取れないのですが、人身傷害は示談交渉中でも支払われますので、当面の治療費の工面に苦心する事なく治療を受ける事ができます。

人身傷害は契約の車に乗っている時以外でも、プランを追加する事で事故の補償を受ける事ができます。(保険会社によって名前は変わりますが、「車外補償特約」というようなものです)。例えば、バスやタクシー、知人の車に乗っている時の事故や歩行中に車にはねられた時等です。以前私も歩行中車にはねられた事がありますが、その時は自分の過失が0だったのですべて支払ってもらえましたが、自己負担が発生する場合もあるかと思います。

人身傷害保険の特徴をまとめますとこのようになります。

• 契約の自動車に乗っている運転者、同乗の家族を補償する
• 過失の割合にかかわらず保険金が支払われる
• 示談交渉中でも保険金を受け取れる
• プランを追加する事で契約の自動車に乗車中以外でも事故の補償を受けられる

以前は事故が起きても相手方からの補償もあるし、自分が気を付けていれば自分に対しての補償はあまり必要ないのではないかと考えていた事もあります。しかし相手が無保険の場合や単独事故、過失割合など考えた場合、対人対物補償と併せて人身傷害保険もしっかり付けておくと経済的な心配が減らせると思います。