最近夕方あたりになると遠くで雷が光っているのをよく見かけます。雷が多い季節といえば夏のイメージですが、実際気象庁の雷検知データによると、日本で最も多く雷が発生しているのはやはり8月だということです。
雷には雷雲の中で発生する雲放電と、地表に向けて放電される対地放電の2種類があり、人や物に被害が出るのは地表に向けて放電される対地放電になります。
雷による住宅の被害
雷は高い木や建物、広い場所に立っている人に直接落ち、木が裂けたり火災が発生する、やけどなどのけがを負うという被害が多いように思います。
一方、一般住宅の雷被害で非常に多いのが誘導雷という間接的に落ちてくる雷です。
【誘導雷】雷サージとは
誘導雷とは落雷した時に発生する過剰な電圧や電流(雷サージという)が電線やケーブルに誘導される雷の事です。この雷サージは家電やパソコンの故障の原因になります。例えば家の近くの電柱に雷が落ちた場合、莫大な電流や電圧が電線を通って家の中に流れ込み、家電やパソコンに影響を与えるという事です。他にもアンテナに落ちたらテレビが壊れる、電話線だったら電話やfaxが誤作動するという事もあります。
雷サージ対策
- パソコンや家電のコンセントを抜く
…雷サージは電線を伝って建物内に侵入し接続されているコンセントから電子機器の内部を破損
させます。ですので、雷鳴が近づいてきたら電源をコンセントから抜く、またLANケーブル
など外とつながっているケーブル類もすべて抜く事が有効です。
雷が鳴っているときに抜こうとすると感電の可能性がありますので注意が必要です。
- 雷ガード付きの電源タップを取り付ける
…電子機器へ大きな電圧が流れないように阻止してくれる電源タップが市販されています。
しかしこのタップは一度雷サージを阻止すると使えなくなるので、交換が必要です。
落雷は火災保険で補償される
通常の火災保険では「火災・落雷・破裂・爆発」が基本補償となっていますので、落雷の被害は補償されます。
先日も近くに雷が落ちてその影響で家電が壊れたという連絡を何件か受けました。破損の原因が雷の可能性がある場合は、加入されている保険会社に確認したほうがいいかと思います。しかし火災保険の対象は「建物」と家具・家電などの「家財」に分かれております。パソコンやテレビが雷サージの影響で破損した場合これらは家財ですので、建物のみの火災保険では補償の対象外となってしまいます。
最近はパソコンやテレビなどインターネット回線とつながった家電が増えてきて、ケーブルなど多くの配線で結ばれているので誘導雷の被害に遭うと損害が大きくなります。
弊社で受けた事故の事例では、エコキュート、エアコン、照明器具などの破損がありますが、買い替えや修理となるといずれも高額になります。また相手がいない為、賠償による補償がなく全額自己負担になります。
設備により、建物に含まれるか家財の扱いになるかは状況によりますが、火災保険は建物と併せて家財も補償の対象とする事を検討頂く事をおすすめします。
家財のみ後から加入することも出来ますので、ご希望があれば補償金額や内容など弊社へご相談頂ければと思います。
