現在、企業を取り巻く環境の変化及び不確実性の中で、企業は競争優位を維持し、持続的な発展を期するために新たな戦略及び目標の策定、また効果的かつ効率的な活動を採用しなければならない状況に置かれています。
そこで事業を推進する上で、必要不可欠なものとしてリスク対策という考え方が登場してきたわけです。リスクの最小限化とリターンの最大化というコンセプトが重要となって、今までは各部門で行っていたリスク管理を、全体的に展開しながら戦略とそのオペレーションを管理するシステムが必要となりました。
全体的にリスクに対する体制を取りながら企業価値を高めていき、ステークホルダーの満足度を高めるという基本姿勢が大事になっております。
リスクマネジメントの効用としては次の事が挙げられます。
- 企業価値の創造
- 企業イメージの向上
- 信頼性と透明性の確保
- 効果・効率性の向上
- 費用対効果
- 情報の開示
- サステナビリティの対応
今回は①②③④の効果について解説していきます。
- 企業価値の創造
リスクを伴う適切に選好して運営することによって企図するリターンの最大化を実現し企業価値を高めることになる。
顧客及び、社会のニーズと期待に応えて不確実性の中から確実な収益を確保することを可能にする。
新たな雇用創出と地域経済への貢献は経済的・社会的な新たな価値をも創造することにもなり社会的責任を果たすことにつながる。
- 企業イメージの向上
金融機関等では融資の対象となる企業の格付けを行っているため、企業戦略の適切性、経営業務の効率性、コーポレートガバナンスの有効性を評価することは、投資または発注する側としは必須の作業になります。リスクマネジメント実施の有無が考慮されてその企業の格付けが決定されますのでリスクマネジメントの有無は重要な要素
- 信頼性と透明性の確保
コーポレートガバナンスやコンプライアンスに関連する事項は株主及びステークホルダーにとって重要な関心事である。
多発する企業の不祥事やインサイダー取引、粉飾決算などステークホルダーにマイナスの影響を及ぼすであろう事柄について信頼性と透明性の確保は重要なことである。
大企業だけではなく、中小企業も今後は対象になるでしょう。
リスク及び内部統制に関する情報発信は社会から高い評価を獲得する有効な手段であ
ることを自覚すべきである。
- 効果・効率性の向上
パラダイムの変化と共にリスクも多様化し、複雑化している中で世界的な動きは加速し企業のリスク回避・移転という考え方は古くなり、リスクを取りながら持続的発展を図ろうという流れになってきています。
株主やステークホルダーの満足度を高めるために、資産および資源の価値を効果的かつ効率的にサイクルを回すことに重点を置くようになってきている。
リスクを選好しながら効果的で効率的な資源の集中と企業運営を行い、リターンの最大化を図りながら持続的な発展を期することができる意思決定が必要。
解説が長くなってしまうので、今回は①~④の解説をしました、次回は⑤~⑦の解説です。
次回の「なるほど川上さん」は「ビジネスにおけるリスクマネジメントがどのような効用があるか2」をお届けします。