川上 毅

第20回 「なるほど川上さん」は相続のお話の9回目

相続対策の③生前贈与

 

相続において、生前贈与はたいへん有効な手段であります。実は2022年4月に相続税・贈与税のルール改正があるのではないかと噂されていたからです。

関係者から注目されていた2022年税制改正大綱では、相続税と贈与税の一体化は「本格的な検討を進める」と記述されており継続審議となりましたが、2022年12月に公表される「2023年大綱」にはどのように記述されるかが注目ではあります。

 

では、なぜ相続税と贈与税のルールを改正しようとしているかというと、財務省主税局の分析によると200万円以上の贈与を受けた人の39%にもぼる方々が6年以上贈与を受け続けているそうです。本来は110万円の非課税枠での贈与が王道のように思っておりますが、実は非課税枠を超えて贈与しても資産の額によっては節税効果があるということなのです。

 

資産家にとっては、相続税より贈与税の方が得になるケースがあるということで、かなりの額が贈与されているようです。

でも王道としては110万以内で暦年贈与をすることが望ましいのかもしれませんが、時間もかかり、不向きだという方もいるのかもしれません。その場合110万円の非課税枠を超えて贈与し、翌年に贈与税分の金額を贈与してあげる方法もあるでしょう。

 

日本の場合は贈与しても3年もち戻しのルール(過去3年分の贈与は相続財産に合算する)がありますが、じつはこのルール世界的にみても甘いルールなのです。アメリカの場合は過去にさかのぼってすべての贈与が相続税に合算されてしまいます、ドイツは過去10年にさかのぼるというルールになっていますので、現在のルールでは贈与は有効な手段であると言えるでしょう。このルールも改定がされるのではないかといわれており、去年は駆け込み贈与が増えたようです。

 

相続は相続人に限定されてしまいますが、贈与は誰にいつしてもよいというメリットがあります。生前お世話になった人でも、事実婚の妻、子供の配偶者にでも贈与できます。

また、生きているうちに渡すので、感謝もされます。

 

被相続人は贈与してもいいと考えるが、贈与したお金を浪費されるのは嫌だ!という方もいらっしゃいます、その場合は被相続人が無くなるので浪費できなくする術も考えておかなければなりません。また、家族間・兄弟間の人間関係の悪さからトラブルになることも考えられるので、贈与したいと考えておられる方は、一度相談に来てください。

110万円の非課税枠の贈与の他にも、税制優遇されている制度もありますので、専門家に相談した方が良いと思います。

 

さて、次回の「なるほど川上さん」は④不動産の購入をする!を解説していきます。

関連記事