前回がんの要因のおよそ3割が感染症と書きましたが、他にはどのような事がありますでしょうか。
日本人のがん発生要因
やはり喫煙ががんの要因で一番多いのですね。これまでの研究から、たばこが肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となる事が科学的に明らかにされています。
喫煙率の低下
しかし、「喫煙率は下がっているのに肺がんの死亡率は上昇し続けている、喫煙は原因ではないのでないか」との意見もあります。これについては多くの医師が、「喫煙率が下がってから肺がんの死亡率が下がるまでには約30年のタイムラグがある、もう少し経てば死亡率も下がる」と述べています。また日本は急速に高齢化しており、高齢になるほどがんで亡くなる可能性は高まるため肺がん死亡率が上がったと言われています。
1.たばこの害
たばこの煙には60種類以上の発がん性物質が含まれ、その煙を吸うと、通り道の口・のど・肺、唾液に溶けて通る消化管の食道・胃、血液中に移行して排出される経路の血液・肝臓でもがんのリスクが高くなります。
2.がん患者とたばこ
がん患者がたばこを吸うと、別の新たながんが発生しやすい事が明らかになっています。またがんの再発、治療効果の低下の悪影響もあると考えられています。
3.加熱式たばこ
たばこの葉や加工品を電気で加熱し、発生する煙を吸引するたばこ製品です。主流煙には、ニコチンや発がん性物質が含まれていることが明らかになっています。
4.受動喫煙
たばこを吸う人以外がたばこの煙にさらされることを受動喫煙と呼びます。たばこ製品の燃焼部分から出る煙(副流煙)や喫煙者が吐き出す煙の中にも化学物質が存在し、たばこを吸わない人の肺がんの原因の1つになります。副流煙は多くの有害物質を含みます。
5.禁煙
たばこによるがん発生は禁煙する事で抑える事が出来ます。しかし依存性があるため、自力での1年以上の禁煙に成功できる人は1~3%という事です。日本では禁煙治療は保険適用となっています。
禁煙治療を実施している施設での、飲み薬、貼り薬での治療で楽に確実に禁煙出来るようです。
(厚生労働省HP)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-06-007.html