「うちはがん家系だ」などとよく言いますが、がんは遺伝するのでしょうか。最近の研究によって、多くのがんは生まれた後に遺伝子に生じた変異が原因であり、親から子へと遺伝するものではない事が分かってきました。ただし、先天的にがんにかかわる遺伝子に変異があるとその変異が受け継がれ、遺伝する可能性もあります。
遺伝するがんの原因
正常な細胞には、がんになるのを防ぐ働きがある(ブレーキをかけてくれる)、がん抑制遺伝子が備わっています。これは父母それぞれ由来のもの1つずつ2個入っています。片方が変異してももう1つが機能していればがんになりませんが、両方とも変異すると細胞ががん化するとされています。
しかし生まれつき、2個のがん抑制遺伝子のうち片方または両方に変異があった場合、一般の人に比べてがんになる確率が高くなります。
●遺伝性がんの特徴
・若年でがんに罹患
・何回もがんに罹患する
・家系内に特定のがんが多発する
●遺伝性のがんの種類
乳がん、大腸がん、皮膚がん等
●遺伝子検査
遺伝子検査には、病院で行うものと郵送キットを使用するもの等あります。いずれもまずは担当医や病院の遺伝相談外来で相談することが大切です。
※長野県松本市 相澤病院遺伝子診療科
https://aizawahospital.jp/gene_diagnosis_therapy/